CR(クロロプレンゴム)とは!?特性・用途・選び方のコツを加工会社が解説

はじめに
「耐油性も欲しい。屋外でも使いたい。強度も必要……結局、どのゴムを選べばいいの?」
ゴムの材質選定で、こんな悩みを抱えたことはありませんか?
そんなとき、候補のひとつとしてぜひ覚えておきたいのが「CR(クロロプレンゴム)」です。
ここで、日本で有名な某人気ゲームのキャラクターを想像してみてください。
黄色いネズミでおなじみの電気タイプは、水タイプなどには強い一方、地面タイプを苦手としています。
それに対して、何かひとつに突出しているわけではないものの、幅広い場面で安定して戦えるタイプもいますよね。
CRも、まさにそんな存在です。
CRは「ゴム界のオールラウンダー」と呼びたくなるほど、さまざまな性能をバランスよく備えたゴムです。
今回は、そんなCRの特徴や用途、材質選定のポイントをゴム加工会社の視点から分かりやすく解説します。
CR(クロロプレンゴム)はどこで使われる?
CR(クロロプレンゴム)は、1930年代にアメリカのデュポン社で開発された、歴史の長い合成ゴムです。
「ネオプレン」という名称を聞いたことがある方もいるかもしれません。
CRは主原料となるクロロプレンを重合して作られ、その分子構造に塩素を含むことが特徴です。
CRはその使いやすさから、さまざまな工業製品に採用されています。
代表的な用途には、
・一般工業用パッキン、ガスケット
・防振ゴム
・ベルト、ホース
・電線被覆
・自動車部品
・橋梁用ゴム
・屋外用の敷ゴム
・ウェットスーツ
・ゴム系接着剤 などがあります。
工場の中から屋外設備、さらには身近な製品まで、非常に幅広い場所で使われているゴムなのです。
※実際に使用できる環境は、ゴムの配合、硬度、使用温度、接触する油・薬品の種類などによって異なります。
CR(クロロプレンゴム)の主な特性
◇CRの強み「オールラウンダー」
CR最大の特徴は、性能バランスの良さです。CR最大の特徴は、ズバリ「性能バランスの良さ」です。
機械的強度をはじめ、耐候性、耐オゾン性、耐油性、耐熱性、難燃性など、工業用ゴムに求められるさまざまな性能を備えています。
しかし、CRは「すべての性能が最高」というゴムではありません。
何かひとつで100点を取るのではなく、多くの科目で安定して高得点を取る、それがCRです。
例えば、屋外で使用しながら油が付着する可能性もあり、さらにある程度の強度も必要――。
このように複数の条件を同時に求められる場面では、CRのバランスの良さが大きな強みになります。
◇CRの弱み【特化型ゴムには性能で負ける】
オールラウンダーであることはCRの強みですが、それが弱みにもなります。
CRよりも「特定の性能」に優れたゴムが存在するからです。
例えば、非常に高い耐油性・耐熱性・耐候性・耐寒性などが求められる場合には、その性能に特化した別のゴムが適していることがあります。
CRの強さは「何でも最強」ではなく、「大きな弱点が比較的少ない」ことです。
そのため、材質選定では「CRで十分なのか」「さらに特化した性能が必要なのか」を考えることが重要です。
一目で分かる材質評価ポイント!
ゴムナビで使用している5段階評価に合わせて、CRの特性をまとめます。
| 特性 | 評価 | 説明 |
| 機械的強度 | ★★★★☆ | 引張強さなどに優れ、工業用途で使いやすい |
| 耐熱性 | ★★★☆☆ | 一般的な工業用途では使いやすい |
| 耐薬品性 | ★★★☆☆ | 酸・アルカリなどに一定の耐性を持つ |
| 耐候性 | ★★★☆☆ | 屋外用途にも使用される |
| 耐寒性 | ★★★☆☆ | 一定の耐寒性を持つ |
| 耐油性 | ★★★☆☆ | 一般的な油に対して良好な耐油性を持つ |
全項目で★2以下がひとつもない。この評価表を見ると、CRがオールラウンダーと呼ばれる理由がよく分かります。
一方、特定の性能をさらに求める場合には、他の材質も候補になります。
耐油性を重視 → NBR・FKM
耐熱性を重視 → シリコンゴム・FKM
耐候性を重視 → EPDM
耐寒性を重視 → シリコンゴム
CRをひとつの「基準となるゴム」として、使用環境に応じて特化型の材質と比較すると選びやすくなります。
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◇CRは「CR」と言っても1種類ではない!
お客様から、
「CRの板、見積もって!」
と言われたら、材質が決まったから一安心……ではありません。
実際のCRには、用途に合わせてさまざまな仕様があります。
例えば、
①一般工業用CR
②橋梁用CR
③導電性CR
④難燃性CR
⑤CRスポンジ などです。
さらにメーカーによっては、結晶化速度や低温特性などを調整した複数のCRグレードが用意されています。
「CR=全部同じゴム」ではありません。
使用環境まで確認できれば、営業としての提案力も一段上がります。
◇硬度・厚み・サイズの選択肢も豊富
CRは一般工業用として広く流通しており、さまざまな仕様のシートがあります。
例えば、
硬度:低硬度~中硬度・高硬度
厚み:薄物~厚物
幅:1m幅を中心に各種サイズ
など、用途に合わせて選択できます。
さらに、発泡させたCRスポンジも広く使用されています。
性能だけでなく、硬度・厚み・形態などのバリエーションが豊富なのもCRの使いやすさにつながっています。
※対応する硬度・厚み・幅などはメーカーやグレードによって異なります。
まとめ
CR(クロロプレンゴム)について覚えておきたいポイントは、とてもシンプルです。
CR=ゴム界のオールラウンダー!
何かひとつの性能に突出したゴムではありませんが、大きな弱点が比較的少なく、幅広い用途で使用されています。
だからこそ材質選定では、まずCRを基準として考え、使用環境に特別な条件があれば、より特化したゴムを検討するという考え方もひとつです。
また、CRには一般工業用だけでなく、橋梁用、導電性、難燃性、スポンジなど、さまざまな種類があります。
「どのゴムを選べばいいか分からない」
「CRでこの製品を作りたい」
「この使用環境でCRは使える?」
そんなお悩みがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
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