カッティングプロッターでの加⼯とは?
はじめに
「ゴムやスポンジ製品をもっと綺麗に、正確にカットできないか?」
そう感じたことはありませんか?
特に小ロットや試作段階での加工において、金型を作るのはコストも時間もかかります。そんなときに活躍するのが「カッティングプロッター」です。この記事では、カッティングプロッターによる加工とは何か、どんな素材や形状に適しているのか、そしてどのようなメリットがあるのかを、初めて聞く方にも分かりやすく解説します。 工業用ゴム製品の調達に関わる商社様やメーカー様はもちろん、加工方法の幅を広げたいと考える方にとっても、役立つ情報となるはずです。
カッティングプロッター加工とは?
カッティングプロッターとは、データ入力によってゴム・スポンジ・フィルムなどの素材を自動でカットする機械です。大判インクジェットプリンターのような外観で、刃物が自動で動き、指示された形に正確に切り出すことが可能です。
レーザーカットやトムソン型による加工とは違い、「非接触熱加工」や「型を使わない刃物加工」が特徴で、以下のような利点があります。
特徴 | 内容 |
---|---|
金型不要 | CADデータをもとに直接カット可能。試作や小ロットに最適。 |
精度が高い | 高精度カットが可能。リピート精度も高い。 |
複雑形状に対応 | 曲線・内角など、自由な形状が可能。 |
多種多様な素材対応 | CR(クロロプレンゴム)やEPDM、シリコンスポンジなども加工可能。厚みや硬度によって選定も柔軟。 |
また、カッティングプロッターは「抜き型を作る前のテスト加工」や「短納期案件」などにも非常に有効です。特に製品開発段階でのスピードアップに貢献します。
加工できる素材の一例
・ゴムシート(CR、NR、EPDM、NBRなど)
・スポンジ(発泡ゴム、シリコンスポンジなど)
・両面テープやフィルム材
・ウレタン・ポリエチレンフォーム
素材に応じて刃物の種類や送り速度、圧力を調整することで、綺麗な仕上がりを実現できます。なお、ゴム加工業界においては、形状にもよりますが、厚み10mm以下の素材がカッティングプロッターによる加工の対象となることが多いのが現状です。10mmを超える場合は、刃物の到達精度や切断面の品質に影響が出るため、別の加工方法(ウォータージェットやレシプロッターなど)との使い分けが重要になります。
加工例
・パッキン(リング形状や角型)
・緩衝材(スポンジ素材による緩衝ブロック)
・吸音材や断熱材のカット
・製品の一部をマスキングするテープ形状
デジタル制御によって、複数のパーツを一度に配置・カットする「ネスティング」も可能なため、材料ロスの削減にもつながります。
まとめ
カッティングプロッターによる加工は、「金型が不要」「精度が高い」「柔軟な対応力がある」といった特徴があります。
工業用ゴム製品の分野でも、試作品や小ロットへの対応力はもちろん、大量生産前の検証やテストマーケティングにも最適です。
「まずは1枚だけ試したい」「複雑な形状だけど、どうしても実現したい」
そんなときは、ぜひカッティングプロッターでの加工を検討してみてください。製品開発の可能性を大きく広げる一手になるかもしれません!
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