ウォータージェットカッターでの加工とは?

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はじめに

「スポンジやゴムの加工って、どうやってあの複雑な形に仕上げているんだろう?」そんな疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。特に、熱に弱い素材や厚みのある製品の加工には、高精度で素材を傷めずにカットできる方法が求められます。

そのニーズに応えるのが「ウォータージェットカッター」です。
最近では、金属や樹脂の加工だけでなく、ゴムやスポンジといった柔らかい素材の加工現場でも活躍しています。この記事では、ウォータージェット加工の基本から、メリット、実際の活用例までを丁寧に解説します。

ウォータージェットカッターとは?

ウォータージェットカッターとは、水に高い圧力をかけて細いノズルから噴射し、素材を切断する加工機です。場合によっては、より硬い素材に対応するため、研磨材(アブレシブ)を混ぜた「アブレシブジェット」も使用されます。

しくみのポイント
・水圧:約3,000〜6,000気圧(航空機のタイヤの中の圧力の数十倍)
・ノズル径:1.0mm以下の極細ノズルで高精度
・加工方法:非接触式なので、素材に直接熱や力がかからない

この技術により、スポンジやゴムのような柔らかく熱に弱い素材でも、溶けたり変形したりせずに美しく切断できます。

ウォータージェット加工のメリット

ウォータージェットカッターは、他の加工方法と比べて以下のような強みを持っています。

特長内容
熱の影響が少ないレーザーカットと違い、熱による変色・変形が起きにくい
高精度細かい文字や複雑な図形のカットが可能です
材料ロスが少ない切断面がシャープで、最小限の余尺で済みます
多様な素材に対応ゴム、スポンジ、樹脂素材など、幅広い素材に対応

ゴム・スポンジ製品での活用事例

ウォータージェットは、以下のようなゴム・スポンジ加工品に使われています。

パッキンやガスケット
寸法精度が求められる製品に適しています。複雑な形状も正確にカット可能です。

クッション材
用途に応じたスポンジ材、発泡体が製作できます。

試作・少量生産
金型不要なので、設計変更や1点ものの製作にもスピーディーに対応できます。

異形状の貼り合わせ用パーツ
接着や積層用に、精密カットされたパーツが必要な場面で活躍します。

注意点と加工可能な素材

ウォータージェット加工は万能に見えますが、いくつかの制限もあります。

非常に薄い素材は加工が難しい(水圧により素材が揺れてしまうため)
吸水性の高いスポンジは注意が必要(切断時に水を吸ってしまうことがあります)
高精度すぎてコストが上がる場合も(量産には向かないケースもあり)
ゴムの硬度や厚みによってはタテ筋が付きます(切断面に縦方向の筋が残ることがあり、外観重視の部品には注意が必要です)

それでも、EPDMスポンジ、CRゴム、シリコンゴム、NBRなど、多くのゴム素材に対応しており、加工の選択肢として非常に有効です。

まとめ

ウォータージェットカッターは、ゴム・スポンジ製品の加工において、「熱をかけずに、正確に、そしてキレイに切りたい」というニーズに応える、非常に優れた技術です。加工方法に迷った際には、素材や形状に応じてウォータージェットを検討してみるのも一つの手です。特に少量・多品種の加工や、熱に敏感な素材にはぴったりの手段となること間違いなしです!

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